Prix La Harpe solaire 2024

J'ai l'honneur de recevoir le prix La Harpe solaire dans le cadre de l'appel à projets 2024 de La Harpe Solaire, qui promeut la création musicale contemporaine et sa diffusion.

L’oeuvre « S for harp » sera créée au Festival Les Musicales d’Assy (Haute-Savoie) en juillet 2024. 



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現代音楽の創作とその普及を推進する団体ラ・ハープ・ソレールの2024年作品募集にて La Harpe solaire 賞をいただきました。嬉しいです。関係者の方々に感謝申し上げます。


応募のきっかけは、条件の『作品はスカルラッティのチェンバロ・ソナタ全般、または特定のソナタ1曲と呼応するものであること』

スカルラッティ・トリビュート!おもしろそう!


自分にとって「バロック時代の作曲家のひとりで、お父さんも作曲家」だったスカルラッティが「あのドメニコ・スカルラッティ」に変わったの瞬間は鮮明に思い出せるのですが、フランス留学中に友達に薦められて聴いたルーマニアのピアニスト、ディヌ・リパッティのCDでした。バッハ、リスト、ラヴェルなどの小品集に収録されていた2曲の鍵盤ソナタ。

曲も演奏もとても魅力的で、楽譜を探して自分でも弾いてみたりして。ときどき取り出して眺める小さな宝物のように、ずっと頭の片隅に残っておりました。


その後しばらくして、パリでの音楽理論の勉強から専門を作曲にシフトするべくジュネーヴ音楽院へ。通い始めてすぐ、校舎にリパッティの肖像レリーフがドンと飾られているのに気づきました。1944年から33歳で没するまでの約7年間スイス在住だったそう。作曲のレッスンに通うときに必ず通る廊下に展示されており、毎回厳かな気持ちで「レッスンに行ってまいります」と目礼しながら前を通り過ぎていました。


そこからまたずいぶんと月日は流れ、去年の秋頃、ある日調べ物か教材準備のためにYouTubeでピアノ曲をいろいろ聴いていたとき、ふとした拍子にあのリパッティによる録音のスカルラッティ鍵盤ソナタに再会。娘が曲を気に入ったらしく(趣味が渋い7歳)、旋律を一緒に歌ったり、また楽譜を引っ張り出して弾いたり、弾きながらちょっとアナリーゼしたり。


長くなりましたが、そんなふうに長い時間をかけて大切にお付き合いしてきた作品へのオマージュとして曲を作る、というこれまでにない貴重な体験でした。

受賞作 « S for harp » 含むファイナリストの5作品は今夏スイスとの国境近く Assy で開催される音楽祭にて演奏される予定です。


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