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Showing posts from February, 2009

Badura-Skoda リサイタル

2009/02/28 19:00- Conservatoire de Musique de Genève, Grande Salle Paul Badura-Skoda, piano Joseph Haydn : Variations en fa mineur, Hob XVII6 Sonate en do mineur, Hob XVI20 Sonate en La bémol Majeur, Hob XVI46 Variations sur l'hymne de l'Empereur "Gott erhalte", Hob III77 Sonate en Mi bémol Majeur, Hob XVI52 ********** デームス、グルダとともに“ウィーンの三羽烏”と呼ばれていたピアニスト、パウル・バドゥラ=スコダ。今回とあるピアノコンクールの審査委員長としてジュネーヴ音楽院を訪れていて、マスタークラスや無料コンサートが行われました。 名前は知っていたけど生演奏聴くのは初めて。そしてクラシックの演奏会って考えてみたらひさしぶり(現代音楽や初演はよく聴いてるんですけどね)で、オールハイドンプログラム。 開演前、ちらっと略歴に目を通したら『えっ、バドゥラ=スコダって1927年生まれ?!』いま2009年だから…82歳!とびっくりしていたところ、ステージに現れたのは背筋がすっと伸びた上品で笑顔がチャーミングな紳士。作品を隅々まで知りつくし、まるで自分のサロンに大切な友達を招いているかのようなあたたかい演奏でした。 あと、ちょっと専門的な話ですが、Hob XVI52 変ホ長調のソナタって各楽章の調設定がものすごく大胆ですね。この時代にこういうことするかなぁ…。 長く残り、愛され続ける音楽・作曲家の底力が垣間見えた瞬間でした。 ***Data*** パウル・バドゥラ=スコダ Webサイト

HARVEY / HADDAD / FEDELE / DAYER

2009/02/24 20:00- RSR Studio-Ansermet HARVEY / HADDAD / FEDELE / DAYER Ensemble Contrechamps Jurjen Hempel, direction J.Harvey : Death of Light / Light of Death S.Haddad : Ethique de la lumière I.Fedele : Notturno X.Dayer : Quatorze Inscriptions ********** アンサンブル・コントルシャン定期。大御所2名、若手(と言っても30代後半)2名の作品が演奏されました。 今回の4曲の中では特に J.Harvey が素晴らしかったです。録音聴いたことあったけど、生演奏ではさらに息をのむような美しさでした。

Musicroom.com

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いつのまにか『作曲・電子音響』を専攻している私ですが、根は文系だと思っています。文系の中でも、特に数字と離れている方に安らぎを感じます。つまり経済の分野にはあまり明るくない、と。 それでも外国暮らしをしていると、避けて通れないのが為替レート。留学開始の2003年から、上がり続けるユーロのグラフを見るたび溜息ついてました。120円で買えたものが4年で160円に値上がりしたようなものでしたから。 (今は主にスイスフラン使用。よく驚かれますけど、スイスの通貨はユーロじゃありません) ところがここ数ヶ月、第二次世界恐慌だなんて騒がれるほどの不況ムードが漂い、ヨーロッパの通貨が(米ドルも?)軒並み急降下。英ポンドが見たこともないような数字を叩き出しているのを確認し、ちょうど買おうと思っていたイギリスの某出版社の楽譜をインターネットで直接ロンドンに注文。もちろん支払いは日本で作ったクレジットカード。この出版社、装丁や質がとても良いけどお値段もとても良い…のですが、今回のこの状況に限ってはフランスや日本のサイトよりもかなりお得でした。 ただ『あと××ポンドのお買い上げで送料無料』という言葉につられて、つい別の楽譜まで買ってしまったので結局トータルの支払いが他所で買うのと同じくらいに。。 まあ、以前からずっと欲しかった大好きな曲なので、よいことにします(笑) ***Data*** 今回のお買い物はここで。作曲家名による検索もしっかりしてます。 Musicroom.com

L'Etrange Histoire de Benjamin Button

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80歳で生まれ、若返っていく 数奇な人生を生きた、ある男の物語 私は数奇な人生のもとに生まれた——。「グレート・ギャツビー」で知られるF・スコット・フィッツジェラルドが、1920年代に書いた短編を基にした『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』は、こうして幕を開ける。それは80歳で生まれ、年をとるごとに若返っていく男の物語。ほかの人々と同じように、彼にも時を止めることはできない。第一次世界大戦末期の1918年にニューオーリンズで始まり、21世紀へと続く彼の人生は、たとえようもないほど不思議なもの。“普通”とは言い難い彼は、出会った人々や場所を心に刻み、愛と出会い、愛を失い、生の喜びと死の悲しみに震えながら、壮大な旅を続ける。 (公式サイトより抜粋) * * * 映画『L'Etrange Histoire de Benjamin Button』(邦題『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』)を観てきました。 『セブン』『ファイトクラブ』と同じ監督、D・フィンチャーの作品だと知ってちょっと驚き。←前述の2本はどっちもものすごく怖かった…。 内容については書きすぎるとネタバレになるし、公式サイトに充分情報が載ってるので省くとして、別のお話を。 ジュネーヴで普通の映画館に行ったのは、考えてみたら今回が初めて( 前回 が普通じゃなかったってわけではないけど)でした。 吹き替えは違和感を感じる場合が多いので私は迷わず原語+字幕版を観にいくのですが、最初に予告が始まるや否や、いつもと何か違うことに気づいたのです。ええっと、確かに原語音声で、字幕も出てるし、理解できる、けど一瞬目が迷うとでも言うか… なんか字幕多くない? そう。ドイツ語とフランス語、2種類の字幕が同時に出ていたのです。二段並んで、こんな感じで。 - Guten Tag! - Bonjour! 視線は無意識のうちに『読める方(=フランス語)』を追っていくものの、『読めない方(=ドイツ語)』も一応視界に入ってくるからやたらインプット情報量が多く、ふとした瞬間にドイツ語の方まで読もうとしてしまい『翻訳に失敗しました』というエラーメッセージが脳内点滅。しかも耳に入ってくるのは英語。 冒頭30分くらい、慣れるまでしんどかったです。 でも後半は若返ったブラッド・ピットの美しさに癒されました(笑) ***Data*** ベンジャ

Micheli@Genève〜ショコラ・ショー編

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ジュネーヴでいちばんのショコラティエを探して、ようやく辿り着いたもののティールームの営業時間外だったという 前回 のリベンジ編。 (といいつつ実は今回も閉店15分前にすべりこみ) 濃いのに、甘いのに、決して濃過ぎず甘過ぎない! 大きなマグカップサイズでサービスされますが、途中で飽きることもなく甘さにノックダウンされることもなく(日本と違って、甘いものは容赦なくとことん甘いのです)最後までおいしくいただきました。 暖かくなる前にもう一度行かなきゃ。

監禁事件?

ジュネーヴ高等音楽院は歴史ある学校で、校舎(本館)はオペラと同じ広場に面したところにある、なかなか年月を感じさせる建築物です。以前かよっていたパリ音楽院の方は20年ほど前に移転したばかりの非常にモダンな建物だったので、初めてジュネーヴに来た時は『これぞヨーロッパの音楽院!』なんて思わず目を輝かせたものです。 …とまぁ、前フリはこのくらいにして。3年目となると目を輝かせることもなく、少々きしんだ音のする木造部分ややけにゴージャスな大理石にも慣れてきます。でもこれと言って不自由も感じずつつがなく過ごしていたわけですが、件のこの日は作曲科助手の個人レッスンで、アシスタントのVクトールと本館の一室にいました。 レッスン開始から15分くらい経ったとき、ドアをノックする音に振り返ると、副学長が顔を見せ『レッスン中に申し訳ないね。これ取りに来ただけだから』と教室の一角に置いてあったチェロを指差しました。 書類などいろいろ置いてある部屋で、途中で誰か入ってくることは別にめずらしくもないので、その後も何事もなかったかのようにレッスンは続き、約1時間後に終了。お礼を言って教室を出ようとすると、 あれ…ドアが開かない? なかなか出て行かない私(正確には「出て行けない」)に気づいたVクトールがドアまでやって来て、押してみて、引いてみて…『えっ、なんで鍵かかってるんだ!?』 考えられる可能性としては『副学長がチェロ取りに来て出て行ったとき無意識に鍵をかけた』が最有力候補だよね、と間もなく我々の意見は一致。そして困ったことにこのドア、内側からも鍵無しでは開けられない(外側も内側も同じ鍵穴があるだけ)タイプのもので、Vクトールは『どうしよう、僕ここの鍵持ってないよ。さっき受付の管理人に開けてもらって入ったから』ということで、つまり、ええと、、、出られないってこと? 幸運にもVクトールが携帯に登録していた音楽院事務室(本館とは別の建物)の番号に電話をかけ→本館の管理人電話番号を聞き→そこに電話をかけ、事情を話し→管理人が爆笑しながら我々の教室に鍵を開けに来てくれて、一件落着。 オートロックの自宅アパートの鍵を持たずに外出しそうになってヒヤっとすることは多々ありますが、まさか外から閉められちゃうとは。。初めて経験しました、こんなこと。あー、びっくり。

Ensemble Vortex 08 #2

2009/02/03 20:00- RSR Studio E-Ansermet (Genève) Concert 08 #2 K.Nakaaki : Samon J.Menoud : In girum imus nocte J-P.Abalo : Obstructions and Steps L.Döbereiner : Piz Zupò D.Schuler : Teh * * * パリで Klangforum Wien を聴いた 翌日、ジュネーヴに戻って Ensemble Vortex の定期公演。ジュネーヴをホームとするこのヴォルテックス、比較的若いアンサンブルですが、演奏水準は半端ないです。 ***Data*** Ensemble Vortex 公式サイト

Klangforum Wien@Paris

2009/02/02 20:00- Amphithéâtre Bastille (Paris) Concerts Klangforum Wien Sylvain Cambreling, direction Eva Furrer, fl solo M.Lévinas : Appels T.Murail : Pour adoucir le cours du temps Ph.Manoury : Strange RItuel H.Dufourt : Antiphysis * * * オーストリア・ウィーンを活動拠点として1985年、作曲家 B.Furrer によって結成されたアンサンブル、クラングフォーラム・ウィーン。 たぶん初めて生で演奏聴きましたが、噂どおりの高い技術+音楽作り。 ***Data*** Klangforum Wien 公式サイト Opéra National de Paris(パリオペラ座)公式サイト

éléphant dangereux

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(連鶴。羽で3羽つながってます) クリスマス休暇中に某作曲家のアシスタントをしていた知人が、唐突に『折紙教えて』 何かと思って話を聞いてみると、その仕事中にアシスタントや写譜屋が編集の際に使う直筆楽譜のコピーにミスがあり、数ページ不要になったので持って帰ってきたのだそう。ここで注目したいのが用紙サイズです。ごくごく普通の書類サイズ(日本でもそうでしょうか?ヨーロッパではほとんど全てがこれ)がA4、その倍(ピアノ譜などの一般的な楽譜の見開きサイズ)がA3です。コンビニでコピーできるのはこのA3までですよね。 さらにその倍→A2。以前、フランスの作曲家T.ミュライユの作品でこのA2版の楽譜があり、譜めくりにずいぶんと苦労した覚えがあります。 ところが今回、この件のミスコピーのサイズはミュライユを上回るA1!確かにぽいとゴミ箱に捨ててしまうには惜しいかもしれない…。 そんなわけで、小さな紙ではできないような難しい折紙に挑戦しようとネットで折り方を検索。完成したのがこちら; 象。 後ろのMacBookがちょうどいい比較対象(pdfでダウンロードした折り方を見ながら作業していたもので)。 ちなみに手前の子象はA4の端を切り落として正方形にして作ったものです。 一頭あたり1時間かかってしまいました。しかもいい大人がかなり本気になって。何やってんだか。。