2008/05/31

Cue! 〜アシスタント日記・その2


2008/05/31 17h00-
Studio Wilsdorf (Genève, Suisse)


Diplôme de Composition
Orchestre du CMG
Benoît Willemann, direction


Francisco Edouardo Huguet Mendez 62 pour chef, clarinette basse, ensemble et électronique en temps réel
Aram Hovhannisyan Cahier de tristesse II deux fragments orchestraux
Victor Cordero Charles Emergences pour clarinette, percussion et orchestre



ディプロム試験演奏会で再び suivi électronique (5月23日の記事参照)を担当。

1曲目の『62』は、赤と青の手袋をはめた指揮者の手の動きをセンサーが感知して電子音響に影響を与える、というとてもユニークなライブエレクトロニクスが使われていました。Fランシスコはもともと理系で情報工学のような方面に非常に強く、この色識別センサー+動作を音楽に反映させるシステムそのものをほぼ自分ひとりで作ってしまったのだからすごい。
今回の仕事を頼まれたとき、ぱっと楽譜を見た感じそれほど難しそうではなかったのでリハーサル日程の確認だけして『いいよー』と返事をしたのですが、ただ、ひとつ忘れていたことが…
彼は実にマイペースでギリギリの人。
2週間前にパート譜作りも手伝いましたが、それも本当に提出期限ギリギリだったのです。

1回目のリハ(本番2日前)に行ったら『ごめん、ユミコにやってもらうイベントキューのタイミング、まだ楽譜に全部書き込んでないんだ…』
2回目のリハ(本番1日前)に行ったら『ごめん、まだプログラミングで迷ってるところあって…』
3回目のリハ=ゲネプロ(本番当日)に行ったら『ごめん、やっぱりここに新しいイベント足していい?』
ダメーーー!!

いろんな意味でハラハラしましたが、これだけの大規模なシステムが事故なくすべてうまく作動し、演奏にもよい意味での緊張感がありソロクラリネット奏者、そして指揮者の弾けっぷり(笑)は素晴らしかったです。



それにしても、オーケストラとエレクトロニクスを同時に扱うって本当に本当に大変な大仕事!と身を以て体験。
先日のMA入試で提出した自分の修士課程修了作品のプロジェクト、『見直したほうがいいかも…』などと早くも考えてしまったのでした。

2008/05/23

Cue! 〜アシスタント日記・その1

2008/05/23 18h00-
RSR-RadioSuisseRomande Studio E-Ansermet (Genève, Suisse)
Atelier-Concert Contrechamps

œuvres des étudiants de la classe de composition de Michael Jarrell

Victor Cordero
 Sonatina pour flûte solo
Aram Hovhannisyan
 Endless Reflection on a Promotion of the Great Northern Lights (2007-2008) pour hautbois seul
Marc Garcia Vitoria
 Microscopi 3: Calc pour violon et électronique
Kayo Nakaaki 
 Kenroku-en – La Pierre pour trombone et électronique





昨年、作曲者として出演したアンサンブル・コントルシャンのアトリエで、今年はアシスタントのような仕事をしてきました。
電子音響を使った作品(特にライブエレクトロニクスと呼ばれるリアルタイムで音楽が作られてゆく作品の演奏)は、種類にもよりますが、演奏者とエンジニアに加えてさらに裏方に人手が必要な場合があります。最終的なレベル(ボリューム)のバランス調整、それから「ここでこういう音がマイクに入るとこういうプロセスが行われる」「○小節目に何番のスピーカーからこの音が出る」などとあらかじめコンピュータ内にプログラミングされたイベントのキューを出す役割(←日本語訳が見つからないのですが、仏語では suivi électronique といいます)。
これはタイミング命なので演奏者がピアノのペダルみたいな形をしたフットスイッチまたはボタンを使って自分でやることも多いですが、それでも本番につきものなのが『忘れた!』『ずれた!』『ペダル踏み損ねたと思ってもう一度踏んだら実は1回目がちゃんとカウントされてて計2回になっちゃった!』といった事故。そのためコンソールルームには楽譜を見つつイベントナンバーをチェックしつつ、アクシデントが起きたときに修正する人がいます。

今回私が担当したのはMルクの Microscopi 3: Calc 、このイベントキューを受け持ちました。チェック修正役じゃなくて、全てのキューを送る役。ヴァイオリンソロ作品だったので、ヴァイオリニストを穴のあくほど見つめ、彼の呼吸に合わせて「…せーの!」て感じで。気分屋さんなところが少なく、ほぼリハーサルどおりに弾いてくれる人でよかったです(笑)。


出演者のみんな、お疲れさま!

2008/05/16

MA入試

こちらでもお知らせしていた15日のコンサート、素晴らしい演奏者に恵まれて大成功でした。ディプロム試験だった2名も無事に卒業です。おめでとう!






さてその翌日。実は私、ジュネーヴ音楽院で入試を受けてきました。
ご存知のとおりすでに在籍してるんですけど…

最近ヨーロッパの音楽院全体に、これまでのディプロム(4年)制をやめて大学課程(学士3年、修士2年、博士?年)に移行しようする傾向があって、我がジュネーヴ音楽院も新システムを導入することになり、 来年度から修士課程が開設されます。
私は日本で学部卒の資格を取ってあるので、現在籍を置いている旧システムのディプロムからこの新システムのマスターへ移りたいと思い、希望を出したところ
『いいですよ、試験受けても』
って…ああ、そう…。(エスカレーター式で内部進学させてくれないかな〜と淡い期待があった。実際、学科によっては書類・事務手続きだけでOKだったらしい)

緊張とともに、2年前ディプロムの入試を受けに初めてジュネーヴへ来た日のことを思い出しました。あのときは試験のプレッシャーに加えて憧れの作曲家(←現在師事している教授)との初対面でもあり、今回よりさらに100倍緊張していました。どのくらい舞い上がっていたかというと、面接会場に荷物一式忘れて手ぶらで帰ろうとして『あ、君カバン…』って先生に呼び止められたくらい。これ、後々までしっかり笑いのネタにされて。。

そんな懐かしい(恥ずかしい)昔の話は置いといて
結果、合格でした。
9月から2年間で MA ; Master of Arts in Music - Composition & theory の取得を目指します。専攻は mixte と呼ばれる純粋な器楽作曲と電子音響の両方を使うもので、かなり濃いプロジェクトになりそうです。
ちなみにMA第一期生としての合格者は私を含め2名で、もうひとりはスペインからの留学生Mルク。彼はエレクトロ関係の知識豊富、音楽センスもなかなかで、これから一緒に勉強するのがとても楽しみ。


がんばります!

2008/05/13

Concert Info * 15/05/2008

Diplôme de Composition

le Jeudi 15 Mai 2008 18h00-
RSR-RadioSuisseRomande Studio Ernest-Ansermet (Genève, Suisse)
entrée libre

Diplôme de
-Kayo Nakaaki
-Lyra Kastrati

et

-Yumiko Yokoi : for 2 violas
David Kim, alto I
Nathan Selman, alto II

How to get to Radio?

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4月18日に発表予定だった新作が本番3日前にある事情でやむなく急遽延期になり、そろそろ1ヶ月。
その後日程や演奏者の調整を経て、改めて今週の木曜に再演…じゃなくて初演されることになりました。
タイトルが太字で Diplôme de Composition となっていますが、そもそも他2名の出演者がディプロム作品を発表するための演奏会だったからです。わたしはオマケ出演、ただの作品発表です。

会場はラジオ・スイスロマンド内のホール、Studio Ernest-Ansermet(ちなみにここ、音響よくて大好き♪)
入場自由ですので、お近くの方(もちろん遠くの方も!)よろしければ足をお運びください。