井前典子さんからメッセージ

こちらでお知らせしている12月14日のリサイタルのピアニスト・井前典子さんから演奏会に関して一言メッセージを戴きました。

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2008年12月10日、フランスの現代作曲家オリヴィエ・メシアンは生誕100周年を迎えます。私はメシアンの美しいハーモニーと、血が騒ぐようなリズムが大好きです。今回は、そのメシアンの秘密を様々な角度から紐解くために、彼の作品と同時に、その前後約50年の作品も取り上げます。メシアンが多大な影響を受けたドビュッシー、逆にメシアンにインスピレーションを受けてこの曲を書いたというジュネーブで活躍中の作曲家・横井佑未子さん―。今回作曲新人賞を受賞されましたがメシアンのまなざし、横井さんによるもう一つのなまざし、それぞれのカラーを 存分に感じていただけるように演奏するのが目標です。
後半の『世の終わりのための四重奏曲』は、第二次世界大戦中、メシアンがポーランドのゲルリッツ収容所に捕虜として収容された時に書かれ、そこで偶然出会った音楽家たちと演奏するために作曲された特異な室内楽作品です。風変わりなタイトルの裏には永遠の安息への願いとキリスト賛歌が込められています。
メシアンを中心に、過去から未来の大きなアーチをどう表現するか、物凄く難題であり楽しみでもあります。メシアン解体、皆様是非いらしてください。

井前典子

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