ゼミ 〜 Henri Dutilleux

先生から連絡がまわってきたとき、まさかと思い、ずっと半信半疑だったのですが、本日作曲科の特別ゼミにデュティユーが来ました。本当に来ました。本人でした。






アンリ・デュティユー Henri DUTILLEUX(1916- アンジェ,フランス)御歳92、フランスを代表する現役作曲家のひとり。
”きゅうじゅうにさい”って。もう自分で歩いてるだけで、いや生きてるだけでもすごいと思う。
今回はジュネーヴ音楽院がデュティユー作品個展みたいな企画をして、室内楽の代表作品から交響曲2番、ヴァイオリン協奏曲などを計8曲を演奏。そのためにわざわざパリから足をお運びくださったというわけで(飛行機かな?TGVかな??)さらにリハーサルの合間を縫って作曲クラスにも時間を割いてくださったというわけ。
学生側もモチベーション高く、日曜にもかかわらず、ラッヘンマンのとき以上の出席率。130%くらいいた気がする(卒業生とか元先生とかまで集まってきた)。

具体的に作品や語法について講義ではなく、音楽全般にわたるお話だったのですが、とにかく時代を感じました。今朝読んだ新聞記事についてしゃべるような調子で『ラヴェルの「左手のためのコンチェルト」の初演を聴きにいったときに』とか『ブーレーズが和声科の修了試験を受けたときに審査員してたんだが』とか出てくるんです。私たちにとって西洋音楽史の教科書の1ページ的イベントをリアルタイムで見てきた人。

ひよっこ学生の話や質問にもとても丁寧に対応してくれて、私が日本人だと知ると『マツモトって知っているかい!?サイトウキネンフェスティバルのときに行ったんだよ!』と身を乗り出してくるようなチャーミングな一面も(笑)。
約2時間、同じ場を共有して、なにかとてもあたたかいものを手渡されたような気持ちになりました。



終わって、コンサートが始まるまで空き時間があったので電子スタジオがある棟へ行こうと数人で移動中、
同じ作曲科学生のVクトールの奥さんと子供にばったり(こちらでは”学生”と言っても年齢や境遇に大きな開きがあり、すでに家庭を持っている人、仕事をしている人などいろいろいます)。
そろそろ1歳、めっっちゃ可愛い!
思わずデジカメを取り出し『こっち向いて〜!』とかやっていたら、横で同期入学のJアンが遠い目をして一言、

『デュティユーの直後だけにものすごい時代感じるよな…年齢差、約1世紀だぜ』

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